2019年1月10日木曜日

【図書】幕末日本探訪記 ロバート・フォーチュン氏の著書を読み返してみて

こんにちは
SETo研究所 石川です。

幕末日本探訪記を読み返してみて


前の記事を書いた際に、カルーナを調べるためヨーロッパのWebサイトをみていて、以前amazonで買ったスコットランドの植物学者 ロバート・フォーチュン氏の幕末日本探訪記をまた読んでみたくなり、お昼休みに読み返していました。

前回記事
カルーナ水枯れ? チョコレートみたいな色になってきました。

目次で当時の日本の農民や商人に関する記述を選んで読んでいると、当時の日本と今の日本の姿に想いを巡らせていました。



農民の身分


日本の小作農民は社会的な地位は低く、年貢が重く極貧に苦しんでいるというが、日本全国でみた農民の姿は住環境もよく衣服は整っており、食事に困ることもなく、幸福そうにみえ、大都市圏では他の階層の人たちより裕福にみえた

と書き残されています。

今でも農家は一般に所得が低く高齢化で大変そうと思われている一方で、農業に従事されている方は家族の関係や生活環境の面で都市生活者の方より幸福そうに思えるのは今も昔も同じかもしれませんね。


日本商人と中国(シナ)商人


ロバート・フォーチュン氏は当時の日本の絹やお茶の品質や供給体制を高く評価する一方で商人との取引では日本の商人より中国の商人を高く評価しています。

日本人は細かい事をとやかくいう、中国人はざっくりしているが約束を反故にするようなことはないと書かれています。

日本と中国の現在の状況と必ずしも一致するものではありませんが

ロバート・フォーチュン氏のすごいところは、日本商人の将来性を評価し、貿易が開始されると日本の排他的政策に起因する通商問題でヨーロッパ諸国との戦争に至る可能性を予見している点だと思います。

最近世界中に排他主義が蔓延してきているように感じます。
アメリカと中国の貿易戦争も日本は無関係でいられませんし、日韓関係や日産の問題でフランスとの関係も懸念される昨今、過去の過ちを繰り返さないよう歴史から学ぶことも大切だと感じました。

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<<補足>>


訳書ではシナ(支那)と書かれていますがシナは中国のことを指していますが中国の方から侮蔑的表現といわれたりもします。米国や英国のようにヨーロッパでの中国の呼び方に日本が当て字をした呼称のようなので、当時侮蔑的な意図はなかったのかもしれませんが、同じ漢字文化の国どうし中国側の呼称で呼んであげるのが和を尊ぶ国の相手に対しての心使いのように思えます。

<< 後 記 >>

兼高かおるさんが逝去されたのを先ほどのニュースで知りました。
まだTVくらいでしか世界の映像を見ることができなかった1980年代は兼高かおる世界の旅をみて世界の文化を知ることができたように思います。

ご冥福をお祈り申し上げます。


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