2019年2月6日水曜日

初心者でも簡単 ちいさな盆栽の作り方【その4】樹形を知れば盆栽の楽しさが広がります。

こんにちは
SETo研究所 石川です。

盆栽初心者の私が盆栽教室や専門書で学習したことや体験したことを解りやすく解説します。

今回は 樹形の決め方 をご説明していきます。


盆栽の基礎知識


① 道具選び   → ① こちらをクリック

② 土の選び方   ② こちらをクリック

③ 鑑賞方法    ③ こちらをクリック

④ 樹形の決め方

⑤ 植えつけ方法  ⑤ こちらをクリック

⑥ 剪定の仕方   ⑥ こちらをクリック

⑦ 樹形の整え方  ⑦ こちらをクリック

⑧ お世話の方法  ⑧ こちらをクリック

④樹形の決め方




盆栽には基本となる伝統的な樹形があります。

基本となる樹形の伝統美を参考にあなただけの盆栽をつくることができます。

盆栽の樹形図


一盆一樹という考え方


はじめに

盆栽には 一盆一樹 という伝統的な考え方があります。

一盆一樹とは一つの鉢には一つの樹種しか植え付けないということです。


ネットでなぜ一盆一樹なのかの理由を調べても出てこないので

いくつかの理由を考えてみました。


・鑑賞対象を一つに絞り込むことで芸術性が高まる。

・絵画にたとえると単身肖像画のような精神世界を生み出す。

・異なる樹種を一つの鉢の中に入れると成長期や水やりや施肥の時期が鉢の中で異なってしまうので最良の生育環境を樹に与える事ができない。

・青々としたた木の横に枯れた木が並ぶような鑑賞時期のアンバランスが起きる。


伝統のなかに経験にしっかりと裏付けされた理由がありそうです。


クチナシの盆栽
クチナシのミニ盆栽


寄せ植えの技法


一盆一樹 の一方で彩花盆栽に代表される 寄せ植え という技法があります。


寄せ植えには

・異なる植物を添える事で鉢の中に奥行きや自然の風景を表現できる。

・色合いのちがう花や葉の組み合わせによって得られる華やかさがある。

・一年の間に数回 花や実など植物の変化を楽しむことができる。

などの特徴があります。

黒松と南天と十両の寄せ植え
黒松と南天と十両の寄せ植え

私は 一盆一樹 の盆栽も 寄せ植え の盆栽もどちらも大好きです。

  庭園にたとえれば

「大樹の庭」 「 多様性に富んだ庭」 といったところでしょうか

それぞれに異なる魅力があるので

両方とも楽しんでしまえばいんじゃない!  と思います。


彩花盆栽教室では 伝統盆栽 と 寄せ植え盆栽 のどちらも学ぶことができました。


盆栽の樹形


一盆一樹 も 寄せ植え も植え付ける前にメインとなる樹木の樹形をどのような形にするか考えておく必要があります。

一度植え付けたあとで変更するのは結構な手間がかかります。

盆栽には鑑賞する方向があり、鑑賞する方向からみてどのような樹形で盆栽をつくるのか植え付ける前に決めておきます。


代表的な樹形をあげると

直幹(ちょっかん) 斜幹(しゃかん)

模様木(もようぎ) 懸崖(けんがい) 文人木(ぶんじんぎ) 

などがありますが他にもいろいろあります。

盆栽の樹形図



樹形を決めることで

・初心者でも表現したいものを具体的にイメージできる。

・樹形から鑑賞者が制作者の意図を汲みやすくなる。

・単純化された形にすることで鑑賞者の想像が入る空間をつくる

といった効果があるのではないでしょうか


植え付ける際に樹形を決めておくことで後々の剪定作業や樹形成形作業にスムーズにつながっていきます。


直幹(ちょっかん)

まっすぐに天に向かって伸びる樹形
大地に力強く根をはりそそり立つ姿を表現しています。

斜幹(しゃかん)

左右いずれかに傾いて伸びる樹形
傾斜地や強風の環境でバランスをとって樹木が育つ様を表現しています。


模様木(もようぎ)

左右にくねくねと曲がりながら伸びる樹形
自然の中の樹木の幹の曲がりくねっている様を再現しています。

懸崖(けんがい)

左右いずれかに鉢から垂れ下がるように伸びる樹形
断崖絶壁に生える様子を表現しています。

文人木(ぶんじんぎ) 

上に細長く伸びて高い場所で枝葉を茂らせる樹形
周囲の樹より一層高く伸びようとする様を表現しています。


わたしは文人木がさりげなく好きです。

はじめて文人木をみた方って 「変なの」 って思いませんでした?

わたしは思いました。 笑


文人木の樹形図


















でも、文人木のなりたちを自分なりに考えているうちに好きな樹形になりました。


幹が太く肥えた松や真柏の盆栽などはいかにも大名や大商人に好まれそうですが、文人木は正直いって光をもとめてひょろりと伸びる徒長みたいで力とか権威とかとは無縁そうに見えますよね。

この文人木は文筆や芸術を極めようとした文化人に好まれたそうです。

まだ見ぬ高みを模索していた当時の文化人たちが自らを鼓舞するため、孤高の高みを目指す自らの姿を投影しながら文人木を眺めていた。

なんて想像すると しびれるじゃないですか!

わたしは文人木から

現状に満足することなく高みを目ざそうとうする強さを感じました。
 

盆栽って奥深い世界だなと思います。





我が家にある鉢で唯一文人木に近い樹形のカエデです。(/ω\)

葉は残っていますが2月なのであまり元気はないですね 笑

こんな感じで盆栽をやっている初心者のわたしが感じたままに書いているブログなので適当に読み流して

楽しんでくださいね。 笑



小品盆栽とミニ盆栽


伝統盆栽の中には小品盆栽とミニ盆栽と呼ばれるジャンルがあります。

どちらも小型でお値段も比較的安いので伝統盆栽をお手軽に楽しむことができます。


小品盆栽(しょうひんぼんさい)とミニ盆栽の違いは樹の大きさにあります。


・小品盆栽は樹高20cm以下

・ミニ盆栽は樹高10cm以下


小品盆栽 や ミニ盆栽ならお値段も安いのでお手軽に盆栽を購入することができますが小品盆栽やミニ盆栽 には小ささゆえの難しさもあります。


ミニ盆栽はなぜ枯れる?


ミニ盆栽を枯らせれてしまった経験をされた方は多いのではないでしょうか


原因はいろいろ考えられますが


一番多いトラブルは

水が無くなって枯れてしまうケースではないでしょうか?

気温が高かったり、葉が茂っている状態で光合成をおこなうと根から水が吸い上げられ葉から水分が蒸発(蒸散)するため鉢の小さなミニ盆栽は思っているより早く鉢の中の水が無くなってしまいます。

水やりや剪定をこまめに行うことでこのトラブルは回避できますが忙しい日々の生活のなかではなかなか難しいですよね。


その他のトラブルとしては

サイズが小さいので病害虫の被害の拡大が早いということもあると思います。

病害虫を防ぐには風通しなどの環境整備や早期の発見が大切ですね。


⑧ お世話の方法 で管理の方法をあらためて書いてみたいと思います。


SETo研究所ではLEDの光と風車の風で室内で小品盆栽やミニ盆栽を楽しむ方法の研究開発をしています。

屋外にくらべ気象の影響が少なく温湿度の変化が少ない室内で育てることで水やりに煩わされたり、病害虫の被害に気付くのが遅れたりすることなく盆栽を楽しむことができます。


次回 ⑤ 植えつけ方法 では 植え付けの手順を具体的に説明してみたいと思います。


お祝いの花ら自然豊かな北海道 帯広市の

胡蝶蘭専門店オーキッドファン

 

胡蝶蘭の花言葉 『幸福が飛んでくる



SETo研究所は現代の住環境やライフスタイルの変化にあわせて盆栽を楽しめるよう新しい技術でお手伝いしていきます。


盆栽初心者の記事を

最後までお読みいただきありがとうございました。

<(_ _)>

記事の内容は都度更新してより良いものにしていきたいと思います。

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私は 一盆一樹 の盆栽も 寄せ植え の盆栽もどちらも大好きです。

しかし盆栽がしばしば あるべき論 で語られることには違和感を感じています。

人の感性は自由であるべきで しばられるべきものではなく

それぞれの人が感じたことを鉢の上で表現できれば それは芸術であり

盆栽なんだろうと思うんです。


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