2019年2月14日木曜日

植物を育てるためにはどれくらいの明るさが必要?実際に測ってみた。

こんにちは
SETo研究所の石川です。

もし室内で草花を育てることができれば
暮らしの中でより身近に自然を楽しむことができます。

植物が光合成をおこなって栄養分を作るには 光 と 風 と 水 が必要です。

植物工場の研究が進みLEDの人工の光による光合成で植物を室内で育てる
ことができる時代になっています。




植物を育てるためにはどれくらいの明るさが必要?


今回は植物に必要な明るさの事をわかり易く書いてみようと思います。

明るさのを知る方法

明るさの基準に ルーメン(光束)とルクス(照度)があります。


ルーメンは光源からでるすべての光の強さで
光を束にした強さなので光束(こうそく)ともいいます。

ルクスは明るさを測った場所での明るさで日本語では照度と呼びます。

植物を育てるために知りたいのはルクス(照度)の方です。


光束と照度の説明図


植物に必要な明るさ


植物の成長に必要な明るさの目安に光飽和点と光補償点があります。

 光飽和点 → これ以上明るくてもつくれる養分が増えなくなる明るさ

 光補償点 → これ以上暗いと光合成ができなくなる限界の明るさ

植物は光合成だけでなく細胞で酸素呼吸もしています。




明るさが足りない場合 

明るさが光補償点にまで下がると二酸化炭素を吸収する量と放出する量が
プラスマイナス ゼロになります。それより下がると酸素呼吸が光合成を
上回ります。

日没から夜明けまでの植物は日々この状態ですがこの状態が長期間続くと
植物は栄養分をつくり出すことができずやがて枯れてしまいます。


必要以上に明るい場合

光飽和点以上の光を受け取ってもそのエネルギーを光合成に使用することができず
余ったエネルギーで葉の中に活性酸素が生じ葉焼けをおこして枯れてしまいますから
明るければいいという訳ではありません。




陽性植物と陰性植物


植物は光飽和点、光補償点の違いで

光飽和点、光補償点ともに高い 陽性植物

光飽和点、光補償点ともに低い 陰性植物 に 分類されます。




光補償点の明るさは植物によって異なりますが

陰性植物の光補償点は       100  ~       500 ルクス

陽性植物の光補償点は1,000  ~ 2,000ルクス と言われています。

光補償点では植物は生存することができませんから

陰性植物では500ルクス以上、陽性植物では3000ルクス以上が
最低限必要な明るさの目安ではないかと思います。

植物の中には成長するにともない陰性植物から陽性植物へ変化するものや
明るい環境から暗い環境まで適応力のある種類もあるため陽性と陰性の
明確な区分けのラインはないそうです。



盆栽に必要な明るさ


盆栽でよく植えられる松や真柏やカエデなどの植物のほどんどは陽性植物です。

常緑樹であれば 5,000ルクス以上

落葉樹であれば10,000ルクス以上 の明るさが必要となります。


明るさの上限

明るさが30,000ルクスを超えると
一部に葉焼けなどの障害を起こす種類があらわれ始めます
30,000ルクスを超えると注意が必要です。



屋外や屋内はどのくらいの明るさなのでしょうか

屋外の明るさ


 屋外の照度は時間帯や気象状況によって変わりますが

真昼の屋外の明るさは

日向だと 70,000(冬) ~ 100,000ルクス以上(夏)

日陰では  5,000(冬) ~  10,000ルクス  (夏)

くらいです。

ガーデニングでいう半日陰の明るさは日向と日陰の中間くらいの明るさで
照度が1/3くらいになる遮光ネットで2万~5万ルクス程に調整した明るさです。

遮光ネットがあると曇りの日などは暗くなりすぎてしまうので
天候が悪い日が続くときなど遮光したままにしないよう注意が必要です。

冬の晴天の日のマンションのベランダの照度を実際に測ってみました。

マンションのベランダの照度計測

右上の写真の日陰の照度が1,673ルクスと少ないのは
バルコニーの手すりの内側には外部の拡散光が届かないからだと思われます。

マンションのテラスの内側が思いのほか暗いことが判ります。



この写真の建物のように物品の落下事故を防ぐため開口のない構造になっていたり
避難経路になっているため園芸棚をおけないケースも多いと思います。

加えて我が家のベランダは東向きですが周囲を高層マンションに囲まれているため
午前10時~12時の2時間ほどしか日があたりません。

痛ましい転落事故のニュースもたびたび発生しており、お子様やペットが
出ないようにベランダを締めきってるお宅も多いのではないでしょうか。




これではマンションのベランダで草花や盆栽を楽しむのは難しいですよね。



屋内の明るさ



一般的な住宅の室内は 200ルクス ~ 500ルクス 程のしかないので
屋外の1/10くらいの明るさしかありません。

窓際や照明器具から離れるとすぐ200ルクス程度まで下がってしまいます。

この明るさでは耐陰性の高い観葉植物でも育てることは難しいですね。


また、陽射しがはいる窓際は明るさは十分ですが、締め切られていると風通しが悪く
直射日光を受けると高温になるため植物を育てるのには適しません。

特に小さな盆栽では鉢の中の温度があがりやすく土の温度が40℃を超えると
生育に悪影響が発生します。

陽ざしの入る窓際に置く際は陽射しが強い日は遮光をしたり、風通しにも配慮
する必要がありますのでご注意ください。



植物鑑賞スタンド風薫の明るさ  


SETo研究所が開発している植物鑑賞スタンド風薫の明るさも測ってみました。


植物鑑賞スタンド風薫はLEDから6cmの距離で30,000ルクス以上、
鉢の上で3,000~5,000ルクスの明るさになるよう設計しています。

植物鑑賞スタンドを使用するれば悪天候の影響を受けることなく常に同じ
明るさで安定して育てることができLEDの排熱を利用して風車を回して
そよ風程のやさしい風を植物へ送るので風通しも問題ありません。

 台座からLEDまでの高さは29cmで小品盆栽やミニ盆栽を育てるのに最適です。

オプションの延長ポールを使用することで
6cm高くして台座からLEDまでの高さを36cmにすることができます。

台座は直径200mmの円形で2号~4号の鉢に適してます。

LEDの消費電力は6Wですので
1日10時間点灯したとしても1ケ月の電気代は数十円程です。



植物鑑賞スタンド風薫
  

 植物鑑賞スタンド風薫 使用上の注意点

太陽のように光源が動かないため枝葉が光源に対して重なり合わないよう
剪定や針金かけをする必要があります。

植物鑑賞スタンド風薫の明るさは陰性植物の光飽和点を上回っており、
多くの観葉植物は陰性植物のため観賞植物を直接LEDの下においてしまう
と葉焼けを起こす場合があるのでご注意ください。



製品紹介をさせていただきましたが植物鑑賞スタンドはハンドメイドで
生産数しており生産数が少なく積極的にセールスをする意図はありません。

こんな風にすればマンションででも植物を育てることもできるんだと
楽しんで読んでいただけたなら幸いです。 笑

普段は室内で育てて、天気のいい日は屋外で共に過ごす。

SETo研究所はそんな植物との暮らしの実現を目指しています。 


見当違いや不勉強な点などありましたら

各ブログのコメント欄よりご指摘いただけると嬉しいです。

よろしくお願い申し上げます。


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