2019年2月7日木曜日

初心者でも簡単 ちいさな盆栽の作り方【その5】植え付け 鉢の中に小さな庭をつくります。

こんにちは
SETo研究所 石川です。

SETo研究所は現代の住環境やライフスタイルの変化にあわせて盆栽を楽しめるよう新しい技術でお手伝いしていきます。

盆栽初心者の私が盆栽教室や専門書で学習したことや体験したことを解りやすく解説します。

今回は 植え付け方法 をご説明していきます。


盆栽の基礎知識


① 道具選び   → ① こちらをクリック

② 土の選び方   ② こちらをクリック

③ 鑑賞方法    ③ こちらをクリック

④ 樹形の決め方  ④ こちらをクリック

⑤ 植えつけ方法

⑥ 剪定の仕方   ⑥ こちらをクリック

⑦ 樹形の整え方  ⑦ こちらをクリック

⑧ お世話の方法  ⑧ こちらをクリック

⑤植え付け方法

植え付けって盆栽の鉢づくりで一番楽しいプロセスだと思います。

手順を簡単にまとめると


植え付けの手順



①鉢の正面と植え付ける樹の正面をあわせる。

②鉢の底に鉢底アミを針金で固定する。

鉢底に根留め用の針金を固定する。

④鉢底にゴロ土を薄く敷く。

⑤植え付ける樹木の土を落とし、根の処理をする。

⑥樹を鉢に仮置きして再度 樹と鉢の正面を確認する。

⑦植え込み用の土を入れていく。

⑧根留めの針金で樹木をかるく固定する。

⑨土をすきこむ。

⑩ 仮どめした針金を締めこんで樹木を固定する。

⑪余分な土を洗い流す。

⑫苔貼りを行う。


簡単にと思いましたが全然簡単じゃないですね。 汗

盆栽初心者の私が理解してきた事を

順をおってひとつづずつ説明していきます。

間違っている点があれば是非コメントお願いいたします。

順次修正していきますので

暖かいコメント 容赦ないコメント お待ちしております。
<(_ _)>

①鉢の正面と植え付ける樹の正面をあわせる。


鉢の正面


長方形や楕円の鉢の場合は横に長い方が一般的に正面になります。

横長の鉢の場合は真ん中でなく少し左右にずらしてメインの樹を配置します。

円形の鉢では樹を真ん中に植えるのが一般的です。

樹形によって重心や全体のバランスを考えて配置すればいいと思います。


円形の鉢の正面は鉢の足元をみてきめていきます。


盆栽の鉢の正面


樹の正面


次のようなポイントをみて、あなたの一番好きな樹の向きを選んでいきます。

・表現しようとしている樹形をつくるのに最適な方向

・立ち上がった幹が一番美しく見える方向

・幹が立ち上がった個所から先端にかけての姿が前方に傾斜してみえる方向

・鑑賞者の視点でみたとき覆いかぶさってくるような印象のある方向

・枝や根が左右に広がっている方向
  


正面を決める順番



根が地面から張り出している樹木のときの例

根が左右に広がりがって張り出している場所を見つけます。
          ↓
左右に根が広がった状態で前の姿と後の姿を比べて
幹筋のいいほうを正面にします。

根張りのない樹木のときの例

樹木を全周囲からみて主幹の立ちあがりが一番きれいに見える場所を探します。

          ↓
主幹から真正面に向かって太い枝が伸びているようなら
少し角度を変えて、全体の枝ぶりが左右に広がっている場所をさがします。

※主幹とは樹の幹の中で一番太い幹のことを指します。



この段階で樹木にあわせてどの様な樹形で風景を表現したいか

樹との対話をしながら想像の翼を羽ばたかせます。

わたしはこの作業が大好きです。


鉢と樹の正面が判るように紙テープなどで正面の側に印をつけておくと

後の作業が楽になります。


②鉢の底に鉢底アミを針金で固定する。


鉢底のアミや針金(アルミ線)はホームセンターや100円ショップの
園芸コーナーで購入できます。

鉢底アミは鉢底の形状にあわせてカットします。

平な鉢底なら4cm角くらいが扱いやすくてよいと思います。

次に1.5mmの太さの針金で鉢底アミを下の図のように固定します。

長さは12cmくらいあれば足りると思いますが、

あまった場合は鉢底アミを取り付けた後で少しカットすれば大丈夫です。

鉢底アミの固定



③鉢底に根留め用の針金を固定する。



根留めの針金は3cm程の2mmの針金に30cmくらいの

1.5mmの針金を3~4回巻き付けて造ります。

根留めの針金



 根留めの針金で樹木を鉢に固定します。

 固定することで樹木が安定して根付くことができ

 強風などで鉢が倒れてた場合の被害をちいさくすることができます。


④鉢底にゴロ土を薄敷く。


 鉢底にゴロ土となる小粒の赤玉土を薄く(1cmくらい)敷きます。



⑤植え付ける樹木の土を落とし、根の処理をする。



 根の処理は大切な作業です。

 根を傷めないよう箸で優しく古い土を落としていきます。


盆栽の根崩し




作業のポイント

・黒ずんだ古い根を取り除く。

・ふるい土はできるだけ落とす。

・剪定で葉の量が少なくなる事を予想して根を短く切り詰める。


葉が十分に茂っていていれば根を1/3くらい切り詰める。

葉が少なければ根を半分くらいまで切り詰める。

植物は 葉と根の量で光合成のバランスを取っているので葉が少なければ根も少なくするイメージですが、植え付ける時期や落葉樹と常緑樹の違いなどで、植え付け後の成長の仕方が違いますから、植替えに適した時期や植物の特性を確認しておくとよいと思います。



樹を鉢に仮置きして再度 樹と鉢の正面を確認する。


根がすっきりした段階で一度鉢の中に樹を置いてみて正面があっているか根もとの高さはどのくらいがいいかなどを確認します。

この段階で完成したときの盆栽の姿をイメージしてみてください。




⑦植え込み用の土を入れていく。


鉢の中に植え込み用の土(細粒の赤玉土や小品盆作用の土など)を
入れていきます。


盆栽の土入れ


私は園芸用のちいさなスコップが家にあったのでそれを使っていますが盆栽用の砂には粘り気がないので盆栽用の 土入れ の方が使いやすいです。




最初に鉢の底の真ん中に土の小山を作っておいて樹の根をのせて周囲から土を流し込んでいくとよいと思います。


⑧根留めの針金で樹木をかるく固定する。


ある程度土が入ったら、針金で樹木の根本部分を仮どめして箸で土をすきこんでは減った分の土を足していきます。
 
盆栽の土入れ



⑨土をすきこむ。


樹の下や根の隙間に空間ができないように箸で土を押し込んでいきます。

苔を貼るのであれば

土の表面が鉢の口から5~10mmくらい低いくらいでよいと思います。

鉢のヘリより中央の土が少し盛り上がっていると奇麗に仕上がります。



⑩ 仮どめした針金を締めこんで樹木を固定する。


 ペンチや やっとこ で針金を締めていき樹木を鉢に固定します。

 あまった針金はカットして よじった部分は土の中に埋めておきます。



⑪余分な土を洗い流す。


屋外かお風呂場に鉢をもっていって ジョウロ あるいは シャワー で余分な土を洗い流します。


鉢の中に粉末状のこまなか土が残っていると粘土のようになり、水はけが悪くなる原因になります。

※シャワーを使う場合は必要な土が流れ出さないよう注意が必要です。

 水量を少なくして少しずつ土を流していきましょう。


⑫苔貼りを行う。



苔は数センチ角にちぎって、根が長い場合は苔の厚みを1cm程度になるようハサミで根切りをして鉢の中にパズルをはめるように敷き詰めていきます。

鉢の正面に継ぎ目がこないように正面には大きめのピースをいれるようにするときれいに仕上がります。


スイレンボクの苔貼り





☆。.:*:・'゚★゚  完成です。 ☆。.:*:・'゚★゚

スイレンボクの盆栽












スイレンボクの盆栽が出来上がりました。

樹形は懸崖ですね。

意図せず 鉢の真ん中からずれて植わってしまいましたが

気に入ってます。


植替えの2月後の2018年12月

この鉢でスイレンボクがきれいな花を咲かせてくれました。

このスイレンボクも植物鑑賞スタンドで室内で育てています。


スイレンボクの花


お祝いの花ら自然豊かな北海道 帯広市の


胡蝶蘭専門店オーキッドファン

 

胡蝶蘭の花言葉 『幸福が飛んでくる



SETo研究所では

盆栽と人が暮らしの中で共生する新しい鑑賞方法をご提案しています。


室内で盆栽を楽しむことができれば植替えも季節を気にせず行うことができ、植替え後の植物の変化を身近に観察することができます。


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わたしは盆栽の勉強をしていて知った言葉の中に

きらいな言葉が一つだけあります。

     駄物 

植物もこの世に生を受けた命です。

人の都合で盆栽や園芸の素材として扱っているのに素材となった植物を蔑む言葉が使われているのを目にすると胸が痛みます。

この言葉が日本から消える日がくると信じています。

盆栽初心者の記事を最後までお読みいただきありがとうございました。

<(_ _)>


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