SETo研究所の石川です。
もし室内で草花を育てることができれば
暮らしの中でより身近に自然を楽しむことができます。
植物工場の研究が進みLEDの人工の光による光合成で植物を室内で育てる
ことができる時代になっています。
今回は光合成に必要な太陽光の事を書いてみたいと思います。
植物が光合成に利用する太陽の光ってどんな色?
太陽光は無色ですが、
ご存知のように太陽の光はさまざまな色の光が集まってできています。
すべての色の元になっているのが光の3原色(RGB)と呼ばれる
■赤(Red)-■緑(Green)-■青(Blue) の3色です。
それらの光を太陽光に含まれているエネルギーの強い順に並べると
1番は■緑色の光の成分 2番は■赤色の光の成分 3番は■青色の光の成分
となります。
それぞれの光を波長の長さの短い順番にならべると次のようになります。
■青色の光 400nm~500nm
■緑色の光 500nm~600nm
■赤色の光 600nm~700nm
単位のnmはナノメートルで1nm =0.000001mmです。
植物はこの400nm~700nmの波長域の光を光合成に利用している
ことが解っています。
植物が光合成をおこなう光の波長
植物がどのように太陽光を光合成に利用しているのかの研究も進んでおり
光合成の鍵となる物質 クロロフィル(葉緑素)の研究も進んでいます。
クロロフィルは主に赤の波長域と青の波長域で光合成の効率が高く500nm~
600nmの緑の波長域の効率が悪いことが判っています。
クロロフィル - Wikipedia ← 光の吸収の項参照
しかし、植物工場の開発をされてこられた岩崎電気株式会社殿の資料によれば
61種類の植物で調べた光合成に作用する青、緑、赤の各波長域の効率の平均は
全体を100%としたとき 青24% 緑32% 赤44% となっており、
下図のように青の波長域の光より緑の波長域の光をより多く光合成に活用して
いることが判かっています。
実験結果では植物は青より緑の波長の光を光合成で多く利用していることになり
クロロフィル単独の特性とは異なる結果となっています。
なぜ植物の葉はみどり色?
これまで植物の光合成に関して言われてきたことに
植物は太陽の光の緑の波長の成分を光合成に使用していないから植物の葉は緑の色を反射して緑に見える。
という考え方があります。
この考えに東京大学の寺島教授が異を唱えられています。
葉はなぜ黒くないのだろうか 東京大学 寺島教授
植物の葉は太陽光の一番強い緑の光の成分をある程度えんりょする(反射する)
事で、強すぎる太陽光から身をまもり 青-緑-赤 の光をまんべんなく利用できる
ように環境に適応して進化していると考えると なんだかすっきりします。
直射日光の強さは照度で80,000ルクス以上もありますが、多くの植物の
光飽和点(それ以上は光合成できない光の強さ)は50,000ルクス以下です。
光飽和点を超える光を浴び続けると植物は受け止めたエネルギーのすべてを
光合成で消費することができなくなり、余ったエネルギーにより活性酸素が発生し、
葉の細胞の機能が停止し、水分の蒸散ができなくなることで温度調整機能も失い
最終的には枯れてしまいます。
光合成の研究の重要性
まだまだ植物の光合成の仕組みは解明されていない事がたくさんあります。
多様な生態と地球上のあらゆる場所に生育範囲をもつ植物は、長い進化の
歴史の過程で地球環境のさまざまな変化に適応しながら複雑な過程を経て
現在の光合成の仕組みを手に入れたのでしょう。
地球の人口が急激に増加し、地球温暖化の影響で異常気象が頻繁に発生する
ようになった昨今、エネルギー問題や食料難への対応策として人工光合成の
研究が盛んに行われていますがいまだに植物の光合成を超えるシステムを
人類は創り出すに至っていません。
とかくITやAIにばかり興味がいってしましますが
光合成の研究は21世紀の重要な学問になるのではないでしょうか
光合成に利用されない紫外線と赤外線
これもまた まだ解明できていないことが多いのですが400nm~700nmの
波長域以外の光も植物の生育や成長に関係していると考えられています。
紫外線
波長の短い紫外線は光合成には利用されていませんが
殺菌効果や色素の変化を促したり、環境の変化を感じたりと植物の生育とつよい
関係があると考えられています。
赤外線
植物は西日にあてるのはよくないとよくいわれますが
遠赤外線を受けると夜間に植物の徒長が促進されるケースがあるそうです。
室内で植物を育てることのできる植物鑑賞スタンド
LEDの光とヒートスピナーの風車の風で室内で植物を育てることのできる
SETo研究所が開発を行っている植物鑑賞スタンド風薫です。
植物鑑賞スタンド風薫は植物の光合成に適した400nm~750nmの
波長の光をだすLEDが12個入っています。
LEDの光には有害な紫外線や赤外線の成分は含まれておりません。
適切な波長と照度の光でこれまで室内で楽しむことのできなかった
陽性植物をお部屋の中で育てることができます。
透明なケースの中に入っている小さな黄色の四角いパーツがLEDです。
LEDからは、いわゆるブルーライトもでていますが、ブルーライトには植物の
葉にある気孔を開き光合成を活性化させる作用があることが知られいてます。
気孔が開くことで二酸化炭素や酸素の交換、水の蒸散を円滑に行なう事ができます。
人に対してブルーライトは覚醒作用があるため、夜遅くまで液晶モニターを見ると
体内時計が変調を起こすなどの悪影響がありますが、植物鑑賞スタンド は日中の
時間帯みのご使用いただく製品ですのでご心配はありません。
SETo研究所は植物鑑賞スタンドでマンションのお部屋の中ででも
草花や小品盆栽を楽しめる新しい園芸のスタイルを提案しています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
<(_ _)>
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